【アメリカ幼稚園】 プリスクールの選び方 | 入る前に知りたかった5つのポイント

アメリカ学校

アメリカのプリスクール(幼稚園)は、日本の幼稚園とは大きく異なります。私も、幼児を連れて渡米し、まもなくプリスクール探しを始めた際は、その違いにとまどいました。お世話になったプリスクールには、満足していますが、正直、選び方を失敗したなと思うポイントもあります。本記事では、私の経験を踏まえて、アメリカでプリスクールを探している方に向けて、選び方のポイント5つをお伝えします。この記事を読んで、悔いのないスクール選びをしましょう。

我が家の場合

期間

我が家の子2(男)は、3歳から4歳途中まで2年弱お世話になりました。

アメリカでは、幼児教育無償化の政策が行われていて、4歳(年中)から公立小学校に入学できるようになりつつあります。我が子もTK(カリフォルニア州の年中クラス)への入学ができるタイミングでプリスクールを卒業しました。

選んだプリスクール

入園時は渡米まもなく、英語も(日本語も)上手ではなかったため、以下の条件で探しました。

我が家のプリスクール選びの条件
  • 日本人が在籍している
  • 遊び中心である(お勉強系でない)
  • 外遊びが多い

いくつかのスクールを見学しましたが、どのスクールも先生は優しく、子どもも楽しそうにしていました。そのため、非常に迷いましたが、最終的には一番思いっきり遊ばせてくれそうなスクールを選びました。

各家庭で、重視するポイントは異なると思うので、何を重視するのか事前に固めておくと、選びやすくなると思います

選ぶときのポイント(基本編)

まずは、選ぶときのポイントとして、基本的なこと、日本でもよく言われていることをご説明します。幼児期の特性は万国共通なので、日本で一般的にいわれていることは、アメリカでも当てはまります。

見学は必須

必ず実際のスクールの様子を見学をしてください。だいたいのスクールは、ホームページにお問い合わせフォームやメールアドレスが掲載されています。その連絡先へ見学の申し込みをすると、多くの場合は数日で返信がきます。

先生の様子や設備

見学の際は、施設の設備、備品、おもちゃなどの種類や量、整理整頓の状況を確認します。また、立派な園庭があっても、使用に制限があることもあるので、各施設やおもちゃ類を、いつ、どのくらい、どこで、どのように使用するのか確認することも大切です。

先生が子どもに接する態度も大切です。見学に来ている自分たちに対してだけでなく、保育中の子どもたちにも笑顔で接していると好感が持てますね。

カリキュラム

アメリカは日本と同様、幼児教育が盛んなので、モンテッソーリ教育、シュナイター教育など独自の理論に基づいた教育を謳っているスクールもあります

また、そのような特定の理論を掲げていなくても、早期に文字の読み書きなど机に向かうお勉強系カリキュラムを行うことが普通です。一方、遊び中心で遊びの中から学んでいこうというスクールもあります

日本でもアメリカでも、結局教えるのは人なので、立派な教育理論を掲げていても、先生のやる気や能力がなくては成り立ちません。子どもと直接接する担任の先生の質もチェックするとよいと思います

送迎しやすさ

家からの距離、運転経路や駐車のしやすさなども重要なポイントです。駐車しにくいスクールの場合は、お迎え時間に間に合わなかった場合のペナルティのルールも確認してくださいルールはあるけれど、実際は大目に見てくれるということもあるので、見学の際に、口頭で聞いてみるとよいと思います。

雨が降りやすい地域では、雨の場合の送迎の動線も確認しておくと安心です。

アメリカのプリスクール選び5つのポイント

ここからは、アメリカ特有の注意すべきポイントをご説明します。日本にいるときは考慮しなくてよいことでも、アメリカでは思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。主に私や友人知人の失敗談に基づいてご紹介したいと思います。

保護者のかかわり

日本でも保護者参加の行事が多い園と少ない園があると思います。しかし、アメリカはボランティア大国だからか、保護者の関わりがさらに本格的なスクールも多いです。

保護者参加型のスクールの例
  • 当番制でクラス全員分のスナック(朝おやつの時間に食べるフルーツやビスケット)を用意
  • 子どもの誕生日には、クラス全員分のピザを用意してランチの時間に提供する
  • 任意の保護者がイベントを企画し半日程度かけてクラスを盛り上げる
  • 頻繁にポットラック(一品持ち寄り)パーティが開催される

せっかく海外で生活するのですから、イベントごとは楽しみたいですが、頻度や負担度によっては疲れてしまうかもしれません。プリスクールに預けている間にやりたいことがある場合は、イベントや係が少ないスクールを選ぶとよいと思います。逆に、積極的に現地の人と交流したいという方は、保護者参加型のスクールがおススメです

上記例であげた、クラスの子どもの誕生日に親からピザが提供されることは、アメリカではよくあることのようです。ただクラスの親全員がやることなのか、1割の親がやるのかはスクールの文化によると思います。保護者の参加が積極的かは、見学の際に確認してみるとよいと思います。

人種の偏り

アメリカで生活するうえでは、人種の問題は無視できません。人種や使用言語が同じ人同士が集まりがちなのは万国共通なので、中華系の子どもが多いスクールインド系の子どもが多いスクールもあります。スクールが中華系などと謳っていなくても、近隣にコミュニティがあったり、施設があったりすると自然発生的に同一人種が集まってきます

多様な人種がまんべんなくいる環境を好むのか、日本人が多い方がよいのか、多言語に触れてほしいのか、などなどご家庭の方針を決めたうえでスクールを選ぶとよいと思います

なお、「日本人は何人いるか」など特定の出身国について聞くと、スクールは答えてくれない可能性があります「人種の偏りがあるか」「日本語を話す子どもや先生はいるか」などの聞き方がよいと思います。

トイレの手伝い

プリスクールは、基本的にトイレトレーニングが完了している子どもを受け入れています。ただし、3歳前後では、トイレの失敗はつきものでしょう。日本でも対応が分かれるかもしれませんが、アメリカでは多くのスクールでは、先生が子どものプライベートな場所を見たり触ったりすることを禁じています

わが子の通うスクールでもトイレのドアを閉めて、一人で用を足さなければいけませんでした。特に「大きい方」のときにお尻を拭くことは3歳児にはなかなか難しかったです。また、「大きい方」を失敗してパンツが汚れた場合は、親がお迎えに行く必要があるということでした。

ただ知り合いのお子さんが通っていたスクールはデイケア(0歳児から受け入れ)が併設されているせいか、トイレのお手伝いは良心的でした。トイレに心配がある方は、どこまで対応可能でどこからは不可なのか確認することをおススメします。

年間カレンダー

アメリカは祝日が非常に少ない一方、プリスクールや小中学校は休みが異様に多いです。春休み、夏休み、秋休み、冬休み、サンクスギビングの祝日の週は一週間休み、先生の研修日、などなど。そして、サンクスギビングなど祝日に紐づくもの以外の休日は、すべてスクールによって異なります

この結果、上の子が公立小学校、下の子がプリスクールに通っていた我が家では、子ども二人の休みがずれるという問題が発生しました。たとえば、春休みに旅行に行こうとすると、どちらかをスクールのある日に欠席させる必要があります。さらに、上の子が休みでも下の子のためのお弁当作りは必要だったり、上の子をつれて遊びに行っても下の子の送迎時間がネックで遠出ができなかったり…。

写真はイメージです

プリスクールの年間カレンダーは、同じ学区域(スクールディストリクト)の小中学校の休みに準ずるところが多いので、兄弟が別のスクールに通う場合は、同じスクールディストリクト内のスクールを選ぶと休みが重なりやすいです。日本でも、北国では冬休みが長く、夏休みが短いなどの事例がありますが、アメリカでは、同じ市内であっても管轄が違えば休みも違うんですね。

会社の補助に合うか

駐在員のご家庭の場合は、会社からプリスクール料金に対して補助が出る場合があると思います。会社の規定をよく確認して、せっかくなら会社からの補助を最大限活用できるようにしたいですね。

  • 夏休みの有無
    • 夏休みの期間に、別料金のサマースクールを開催するスクールがあります。サマースクール代は会社から補助が出ないケースがあります。
    • 夏も通常営業(夏休みなし)の場合、一時帰国などで長期欠席のときの費用(通常授業料、休学代)が会社補助対象か否かは確認した方がよいです。
  • スクールの形態
    • 会社の補助対象が「プリスクール」は補助可能、「デイケア」は補助不可の会社もあります。また個人経営は不可の会社もあります。
  • 値上げリスク
    • アメリカは近年インフレが深刻な問題となっています。私の周囲では、プリスクールも習い事も毎年値上げがありました。会社の補助額に上限が設定されている場合は、翌年以降の値上げも考慮して検討した方がよいです。

まとめ

いかがだったでしょうか。最後にまとめを表示します。本記事が、アメリカのプリスクールを探している方や渡米準備中の方の参考になれば幸いです。

  • プリスクールの選び方は、日本の幼稚園の選び方と根本部分は同じだが、アメリカならではの注意すべきポイントもある
  • 多様な人種、ボディコンタクトへの考え方の違い、長期休み日程が一律でない、値上げリスク、会社からの補助には注意が必要
  • スクールに求めるポイントを明確にしていると選びやすい。