【渡米3年】幼児期渡米の子の日本語レベルは!? | 体験入学で先生に聞いてみた!

日本語教育
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アメリカで駐妻をしているアンジーです。早いもので、幼児2人をつれて渡米してから丸3年が経とうとしています。幼児期に海外へ渡ると、日本語習得に影響が出ると言われていますが、我が家の子どもたちはどうだったのでしょうか。今回、学校の長期休みを利用して体験入学・入園(日本の小学校と幼稚園)をしたので、先生からの評価も踏まえて、検証してみたいと思います。

我が家と同じように幼児期を海外で過ごしているお子さんの親御さまこれから乳幼児を連れて海外で生活しようとしている親御さまにも参考になる内容となっています。ぜひお読みください。

前提

子1(女)の経歴

上の子の経歴です。

子1(女)
  • 5歳(年長)で渡米、現在小3
  • 繊細さん
  • 渡米時の日本語
    • ひらがな、カタカナが読める
    • 指さしながら一つ一つ文字を追って読む
    • ひらがなが書ける、カタカナは一部のみ書ける

子2(男)の経歴

下の子の経歴です。

子2(男)
  • 2歳で渡米、現在年長
  • 我が道を行くタイプ
  • 渡米時の日本語
    • 二語文、三語文をしゃべる
    • 親や先生の指示は理解できる

幼児期の英語学習は危険!?

日本では、早期の「おうち英語」について賛否があります。さまざまな研究結果からも、幼児期~小学生低学年の日本語確立の時期に英語を入れることは、危険が伴うのは事実のようです。

母語の基礎が完成する2歳から4、5歳の間に母語のノーマルな発達が阻まれると、言語発達全体が遅れてしまい、2言語環境の犠牲者になる可能性がある。そのなかでも、2歳から4、5歳までの幼児がいちばん危険率が高い。

引用元:「完全改訂版 バイリンガル教育の方法」 第4章 家庭で育てるバイリンガル

こちらの本は、以下の記事で詳しく説明しています。研究結果やご自身の海外での子育ての知見からデータ等に基づいて、海外や日本で母語と第二言語を学ぶ場合に起きうること注意すべきことが述べられており、海外で子育てをする場合に参考になると思います。

今の実力を徹底検証

それでは、5歳と2歳で海を渡った我が子は、日本語を習得できているのでしょうか。日本への一時帰国時に体験入学・入園をしたので、この機会に徹底検証してみました。

子1(女)の場合

先生からの評価

担任の先生
担任の先生

問題ないですよ。日本語で新しい知識を学ぶことができています。漢字もほとんど正確に覚えています。

5歳で日本を離れた娘でしたが、先生からは合格点をいただきました

母

将来の本帰国に向けて、強化した方がよい点はありますか

先生
先生

語彙力を増やすために、読書をするとよいと思います。日記を書くのもよいですね。

日本語の基礎を固めるため、読み書きの場数を増やすことが大事とのことでした。

たしかに、日本語に触れる機会が圧倒的に少ない海外では、読書や日記書きで語彙力を強化する必要がありますね。

母からの評価

先生は、「問題なし」と言ってくれましたが、親としての評価は少し違います

母からの評価
  • 教科書はスラスラ読める
  • 漢字は得意。熟語の意味が分からなくても書ける(→ 学年が上がって同音異義語が多くなると苦労しそう
  • テストは、60点~100点とバラつきあり。理科社会が得点できない
  • 目上の人に敬語(です、ます)が使えない
  • 語彙力がない(学校や街中に知らない単語がたくさんある、慣用句を知らない)

小3から始まった理科、社会に苦戦しました。問題慣れしていなくて、問題文の意味を理解するのが難しかったことと、社会の単元が「身の回り」の街やスーパーマーケットに関することだったことが敗因です。

また、目上の人に丁寧な言葉で話すこともできませんでした。本人曰く、「恥ずかしい」と。確かに、アメリカにいる同学年の日本人は、まだ大人にもタメ語でしゃべる子が多いです。

語彙力は、仕方ないとあきらめ気味です。「そんな言葉も知らないの?」と口から出かかることもしばしば。読書を地道に続けていこうと思います。

子2(男)の場合

先生からの評価

先生
先生

話し言葉が少し幼い印象もあります。ただ、ペーパー問題がよくできています。「読み書き」、「聞く」は問題ないですね。

今回、お勉強系の幼稚園に体験入園したのですが、読み書きの問題を苦も無くこなしたそうです。

話し言葉の幼さは私も心配していましたが、読み書きができているという点は嬉しい驚きでした。

母

小学校入学に向けて、やっておいたほうが良いことは何ですか?

先生
先生

日本語の絵本をいっぱい読み聞かせしてあげてください。

やはり、本は大事ですね。

母からの評価

母の評価は、先生と同じです。

母からの評価
  • ひらがなの読み書き、お話を聞いて理解することは問題なし
  • 話すときは、ルー語日本語に英語が混ざる
  • 話すときは、英語の用法と混同しが
    • お父さんがお菓子を(僕に)あげた(〇 くれた
    • 友だち遊ぶ(〇 友だち遊ぶ)
    • Lunchが僕のtummy(おなか)をtiredにした(=食べるの疲れた)

助詞を選ぶペーパー問題は、正解できるのに、しゃべるときは間違えてしまう。日本人が英語の筆記試験はできるのにスピーキングが苦手なのと同じですね。

3年間の振り返り

母の感想

子どもたち2人とも、ここまで本当によく頑張ったと思います。日本語習得の大事な時期に日本語環境から離れてしまったため、日本語は以前から心配していました。しかし、今回、体験入学・入園を経験してみて、日本語力もそれなりに成長していると分かりました

今まで、家庭で取り組んできた日本語学習の方向性は間違っていないと感じました。

今までやってきたこと

子1(女)の場合

3年間でやってきたこと
  • 渡米前から七田式プリント
  • 小1、小2:市販ワーク、通信教育
  • 小3:通信教育
  • 読み聞かせ、読書

同い年の日本人が多い環境にいるので、日本語学習のうえでは恵まれていると思います。

それでも、年齢が上がるにつれて、習い事や現地のお友だちと遊ぶのに忙しくなり、勉強時間の確保が難しくなりました。学校に慣れ、英語が上達するのに比例して、活動的になり、習い事やお友だちと遊ぶことが多くなったのです。

習い事もお友だちと遊ぶことも英語の習得には有効なので、バランスをとるのが難しいなと悩んでいる今日この頃です。

幼児期は、七田式プリント一本でしたが、小学生になってからは、試行錯誤が続いています。今思えば、「七田式プリントを3枚だけ」と決めていた幼児期は、親としては楽だった・・・

子2(男)の場合

3年間でやってきたこと
  • 3歳半から七田式プリント
  • 絵本読み聞かせ

子2は、子1と異なり、同い年の日本人友だちがいない環境で生きてきました。それにも関わらず、「読み書き」の幼児向け問題は解けるレベルに達しているのは、安心材料です。

母

やっててよかった「七田式」

もちろん、「話す」が幼稚な点は今後の課題です。しかし、言い間違えもルー語もかわいいので、このまま「七田式プリント」が終わるまで様子を見たいと思います。

娘

ママ、弟には甘い

結論:七田式プリントは最強だった

今回の一時帰国で、先生とお話ししたり、子どもの日本語力を振り返ってみて、改めて、「七田式プリント」の効果を実感しました。海外で手探りで突き進んできた日本語教育ですが、幼児期の七田式プリントは心強いパートナーでした。子2は、まだ継続中です。残りも少なくなってきましたが、最後まで頼りにしています!

まとめ

以上、幼児期に渡米し、3年間海外で過ごしてきた子ども2人の日本語力を検証してみました。

幼児期に母国語以外の言葉(第二言語)を学ばせると、日本語習得に支障が出ると言われることがあります(諸説あります)。結局のところ、我が子の日本語は遅れたのでしょうか。残念ながら、正確なところは分かりません。なぜなら、日本で生活している子どもでも、日本語の発達はさまざまだからです。「おしゃべり大好きなAちゃん」とわが子を比べて焦ったり、「発達ゆっくりめのBちゃん」とわが子を比べて安心しても意味がありません。「あのとき渡米しなかったわが子」と「今の(渡米した)わが子」を比べられたら良いのですが、不可能ですよね。

ただひとつ言えるのは、二人とも少しずつ進歩しているということです。これからも親子で力を合わせて一歩一歩日本語道を究めて行こうと思います