【洋書多読】小学生におススメの英語マンガ『DOG MAN』

おうち英語

わが家の子どもが7歳の頃にハマった英語の本『DOG MAN』シリーズを紹介します。

子どもに英語の本を読んでほしいけど子どもが嫌がる、簡単な英語しか読めないので、日本語の本のようにストーリーを楽しめないといったお悩みをお持ちの方には、絶対におススメのシリーズです。

本の紹介

基本情報

作者Dav Pilkey
カラーフルカラー
ジャンル少年漫画/アクション冒険
対象年齢2nd ~3rd grade
LexileGN390L
ページ数240ページ
サイズ14.2 x 1.5 x 21.1 cm
『DOG MAN』シリーズの第一巻

あらすじ・概要

著者の大ヒット作『(邦題)スーパーヒーロー パンツマン』(洋題:Captain Under Pants)シリーズのいたずら好きな主人公「ジョージ」と「ハロルド」が描いた漫画という設定です。ストーリーには、パンツマンはほとんど出てこないので、パンツマンシリーズを読んだことがない人も楽しめます。

頭が犬、体が人間の”DOG MAN”がさまざまなトラブルに巻き込まれ、だまされたり、怒られたり、誰かを助けたり、ドタバタコメディ劇です。このDOG MANがちょっと間抜けで、陽気で、ばかげていて、ほのぼのさせられる、何ともいい味を出しているんです。

教訓めいてはいないけれど、家族、愛、帰属意識などがさらりと描かれていて、子どもの心にも響くものがあるのではないかと思います。

ちなみに、著者は日本に縁があるようで、ときどき日本語が登場するのも親しみ深いです。

こんな人におススメ!

  • 小学生(低学年~高学年)
  • I Can Read などのレベル別リーダーズブックを読み進めている方
  • リーダーズブックではストーリーがつまらないと感じている方
  • 漫画好きであれば、フォニックスを理解して”cat”などのCVCワードを読み始めていれば大丈夫

おススメする理由

読みやすさ

一般的に、英語の漫画って意外と読みにくいものです。原因は、絵の中に強引にはめ込んだ細かい字、しかも、なぜか文章全体が大文字。「文頭のみ大文字、ほかは小文字」というルールで読み慣れてきた私には、さっと頭に入ってきません。

  • I HAVE A DOG.
  • I have a dog.

どうでしょうか。大文字の文章に読みにくさを感じた方も多いのではないでしょうか。

その点『DOG MAN』シリーズは、一般的な洋書と同じく、「文頭のみ大文字、他は小文字」なので、違和感なく読んでいけます。「漫画なのに小文字」これが『DOG MAN』シリーズの最大のおススメポイントです!

また、全編にわたって手書き風の文字で書かれていますこれが子どもにはなぜかウけるんですね。さらに、子どもの文字(「ジョージ」と「ハロルド」が描いたという設定)ということで大きめの文字、短い文章なので、細かい文字に抵抗があるお子さんでも抵抗なく読み進められます。

絵が分かりやすい

単語は、英検の勉強では出てこないような難しいものも出てきますが、ひとつひとつの文章は短いこと、絵で類推できることから、スラスラと読み進められます

絵は、子どもの落書きのようにシンプルで、変に凝っていないので、ストーリーが追いかけやすいです。この点、あの有名な「ディズニー英語システム」が採用している「コマ割りのような映像で音とイメージをリンクさせる」という方式と同様の効果があると思います。

オノマトペ(擬態語・擬音語)が学べる

オノマトペとは、「キラキラ・ザーザー・ワンワン」などの擬態語・擬音語のことです。オノマトペは赤ちゃんが最初に覚える言葉だそうですが、大人になってから他の言語のオノマトペを学ぼうとすると、その音から意味を類推することは困難だと言われています。

オノマトペの例
  • 犬の鳴き声・・・ワンワン→ bowwow , ruff ruff 
  • 救急車のサイレン・・・ピーポーピーポー → wee-ooo-wee-ooo

『DOG MAN』シリーズに限らずですが、アメリカの漫画には日本語の漫画と同様に、オノマトペが多用されています。子どものうちから何度も英語のオノマトペに接していると、ネイティブらしい感覚が自然に習得できるのではないでしょうか。

おまけのページが楽しい

ストーリーの間や巻末におまけのページが入っています。

たとえば、フリップオラマ(2ページだけのパラパラ漫画)

左手をイラスト指定の場所に置いて、右手でページをパラパラめくると、絵が動く!

巻末にはキャラクターの描き方のページ

日本語版も発売されているので比較して読むと、より楽しめます。

向かない人

とても楽しい『DOG MAN』シリーズですが、残念ながら万人受けする漫画ではありません。『DOG MAN』はこんな人には向かないかもしれません。

単語を全く読めない人

『DOG MAN』シリーズは絵がわかりやすくストーリーが追いやすいので、英語を全く読めなくても楽しめちゃいます。

英語の習得目的でしたら、フォニックスの基本的なルールも理解していないという状態で手に取るのは早いかもしれません。日本語の『DOG MAN』シリーズも発売されているので、楽しみながらアメリカ文化に触れるために日本語版を活用してみてはいかがでしょうか。

一方で、英語が多少読めるレベルでしたら、繰り返し出てくる単語は自然と子どもの脳にインプットされます。簡単な英単語が理解できる、知らない単語もフォニックスの知識を使って何とか読めるという状態の子どもであれば、大丈夫。『「xxx」って単語は日本語で「○○」って意味なんだよ!』などと得意げに教えてくれることでしょう

繊細な描写の絵が好きな人

『DOG MAN』シリーズは、小学4年生(巻が進むにつれ年齢が上がります)の男の子「ジョージ」と「ハロルド」が描いた漫画という設定です。そのせいか、絵が日本の漫画のように繊細で細やかはありません。日本の漫画のように細部に凝った漫画に慣れている人には抵抗があるかもしれません。

もちろん、その裏返しとして、絵からストーリーが類推しやすい、字が大きいなどの長所がある訳ですから、まさに「好みの問題」と言えるでしょう

もう少し繊細な絵が好みであれば、同じくヒーローものでアメリカでも大人気な『Hilo』シリーズもおススメです。こちらは、『DOG MAN』より字も小さく、文章が大文字ですが、ストーリーが追いやすい点は同じで、小学校低学年でも楽しめると思います。

関連書籍の紹介

『DOG MAN』シリーズは全12巻

『DOG MAN』シリーズは2024年3月時点で12巻発売されています。まとめ買いのお得なセットも販売されています。Kindle版も発売されているので一冊試してみてもよいですね。子どもが気に入るようであれば、紙の本をセット買いすると、どっぷり『DOG MAN』の世界にハマることができます。

アメリカの子どもたちに大人気のシリーズなので、全冊読んでおけば、子どもがネイティブとのフリートークで『DOG MAN』をネタに盛り上がる日が来るかもしれませんね

Kindle、楽天Kobo

まとめ買いセット

同じ著者のチャプターブック『 Mighty Robot 』<初級者向け>

『DOG MAN』シリーズが気に入ったら、同一著者のチャプターブックはいかがでしょうか。チャプターブック(Chapter Book)とは、小学生向けの章立てされた(1章、2章と分かれた)物語のことです。『Ricky Ricotta’s Mighty Robot』シリーズは、フルカラー、全面に絵があります。ちょっと長めの読む絵本と言う感じです。

漫画ではないのですが、1ページあたりの文章量も少なく(1~5行くらい)、漫画からのステップアップに最適です。そして、「フリップオラマ」(2ページのパラパラ漫画)や漫画も途中に入っていて、飽きさせない工夫も満載です。

同じ著者のチャプターブック『Captain UnderPants 』<中級者向け>

こちらは、邦題『スーパーヒーロー・パンツマン』として日本語版も発売されていて、映画化もされていますね。

『Mighty Robot』シリーズと同じく、『Captain UnderPants 』シリーズも全面に絵があります。こちらは、どっしり200ページ超の大作です。ボリュームはありますが、途中に「フリップオラマ」(2ページのパラパラ漫画)やコミックのページも入っていて、『DOG MAN』ファンには大満足のシリーズです。おバカ系の物語が好きな方はぜひ手に取ってみてください。

オーディブルも秀逸です。臨場感あふれるナレーターで子ども受け間違いなしです。

まとめ

いかがだったでしょうか。簡単に『DOG MAN』シリーズの魅力をまとめます。興味を持った方は是非手に取ってみてください。Amazonのサイトで試し読みもできますよ。

まとめ
  • 『DOG MAN』シリーズは、絵が単純字のサイズが大きい字が小文字、文章短めのため、英語初心者でも読みやすい
  • オノマトペ(擬音語・擬声語)が学べる
  • フリップオラマイラストの描き方コーナーもあって、飽きずに楽しめる